最近のテクノロジーに関する流行語を詳しく見て、ビジネスに成果をもたらす、その役割について探ります。

ローコード市場は、2022年までに210億ドルに達すると予測され、年平均成長率は40%に達すると見込まれています。また、ガートナーの調査によると、2024年に作成されるアプリケーションの3分の2は、ローコードプラットフォームによって開発されることになると予測されています。この急激な増加の予測の背後にあるものは何でしょうか?またこのテクノロジーはプラットフォームのプロバイダーが主張するほど強力なのでしょうか? そして企業のデジタル戦略に適しているものなのでしょうか?ここでは、ローコードツールの採用を検討する際に知っておくべき、いくつかの重要なポイントについて紹介します。

用語の理解 

ローコードは、アプリケーション開発のアプローチの1つです。その名称が示すように、ローコードを使用すると、開発者は最小限のプログラミングでアプリケーションを作成することができます。手動でのコーディング作業を自動化することでマニュアル作業を減らし、開発者はよりクリエイティブで付加価値の高い作業に専念することができます。開発者は、コードを書く代わりに、組み込みのテンプレートの使用やビジュアルインターフェイスでドラッグ&ドロップして使用できるため、アプリケーション開発を超高速化することができます。今まで、数年とはいかなくても、数か月かかっていたものが、数日または数時間で完成できるようになります。

さらに、ローコードプラットフォームは、時間の短縮と、多くの専門家を必要としないことから、企業のコストを大幅に削減することができます。コードが少なくなることで、バグが減り、少なくとも、バグテストが容易になります。また、ユーザーがデータを収集して、アプリケーションのパフォーマンスを測定し、更新または保守に適切な時間を決定することができるという利点もあります。

アプリケーションを開発するためには、専門的なコーディングスキルはほとんど必要がないため、誰もがローコードプラットフォームの開発者になることができると言われています。しかし残念ながら、それは思ったほど簡単ではありません。プラットフォームを効果的に活用するには、一般的な見落としを避けるために、ある程度、プログラミングについて理解する必要があります。「アマチュア」アプリ開発者は、例えば、権限のないユーザーにアクセスを許可したり、レポートを設定する適切な情報選択をしないなど、ビジネスにデータの不正確さやアプリケーションのセキュリティリスクをまねいてしまう可能性があります。

デジタル化の成功を促進

どんなテクノロジーにも長所と短所があります。それでも、ローコードが企業の運営、特にデジタル変革の過程に及ぼすすばらしい影響は否定できません。

  • 変化する市場の要求に迅速に対応

今日のテクノロジー社会では、イノベーションは企業の足場を維持し、また少なくとも競合他社に後れをとらないための鍵となります。2021年までに、アプリケーション開発に対する市場の需要は、求められるIT開発能力の少なくとも5倍速く成長するということが、ガートナーによって明らかにされました。ソフトウェアまたアプリケーションを迅速に作成できるローコードプラットフォームの機能によって、企業はビジネスアイデアをスピーディーに実現できるのです。これにより、顧客の要望への応答性が向上し、急速に変化するデジタル環境への適応性が高まります。

  • ビジネスとITの連携

ローコードの最も大きな利点の 1 つは、ユーザーが必要とする技術的知識が少なくて良いというところです。単純なケースであれば、IT部門でない従業員でも、自分でアプリケーションを構築する、あるいは開発プロセスに大きく関与することができます。ITスペシャリストが、必要なガバナンスとセキュリティを確保するためのプログラミングの専門知識を提供し支援するなかで、事業部門は、必要に応じて機能を管理、修正、更新することができます。このようにして、相互理解を強化し、ビジネス要件と技術的な実行との間で円滑なつながりできるようにします。

  • デジタル変革のためのツール

デジタル変革には、幅広い新しいアプローチとテクノロジーが必要です。ローコードプラットフォームは、人工知能(AI)、ロボットプロセスオートメーション(RPA)、ビッグデータといった新しいテクノロジーやクラウドサービスと、容易に統合することができます。また、企業は小規模からスタートして、ユーザーからのフィードバックに応じて、発展しスケールアップできるため、継続的なイノベーションが進み、機能拡張がなされます。さらに、ITスタッフは、煩雑な反復作業から解放され、創造性と変革を促進するより価値の高いプロジェクトに集中することができます。

ローコードは、近年、業界のディスラプター(破壊者)として知られており、世界的に注目されています。これらのプラットフォームは、柔軟なアプリ開発を可能にし、従業員のデジタルな創造性を最大限に引き出すことで、企業がクライアントのニーズに的確に対応し、業務を合理化して、技術面で大きな変革に貢献しています。

 

【Written by ファム・マイ・ガン 2020年6月30日】

【Reference】

https://www.gartner.com/en/documents/3956079/magic-quadrant-for-enterprise-low-code-application-platf