Salesforceとは?

Salesforceとは-サービス内容や導入するメリットを解説

Salesforceは、見込み顧客との接点創出から成約までを効率化・最大化するプラットフォームです。営業支援(SFA)のみにとどまらず、顧客管理(CRM)やマーケティングオートメーション(MA)など多彩な機能を備えており、顧客の獲得・育成、満足度向上を実現し、ビジネス全体のパフォーマンスを高めます。ハードウェアやソフトウェアの購入といった初期費用が不要なため、手軽に導入できるのが特徴です。業界や会社の規模を問わず幅広く利用されており、世界中で圧倒的な知名度と市場シェアを誇っています。


Salesforceが選ばれる理由とは?

Salesforceを活用し情報分析を行っているイメージ

Salesforceは顧客接点を軸に必要な機能を選ぶことができます。選ばれる背景には、様々な営業の支援ができること、初期投資のリスクが低いことなどが挙げられます。ここから詳しく見ていきましょう。

様々な営業の支援ができる

Salesforceは、見込み顧客の獲得から育成、商談管理、契約締結まで、営業プロセスのあらゆる段階を支援します。顧客情報を一元管理できるため、営業担当者はパーソナライズされたアプローチができます。蓄積されたデータをもとに「次に何をすべきか」が可視化され、効率的な営業活動が可能です。精度の高い売上予測やパフォーマンス分析を通じ、戦略的な意思決定と継続的な売上増加を実現することができます。

初期投資のリスクが低い

Salesforceの大きな特長は、初期投資を抑えられ、スモールスタートが可能な点です。クラウドベースのサービスであるため、高額なサーバーやソフトウェアを購入する必要がなく、インフラ構築にかかる初期費用を削減できます。また、月額のサブスクリプションモデルを採用しており、導入後の改善や改変を経て、また企業の規模や成長に応じて、必要な機能やユーザー数を柔軟に選択できます。そのため、先行投資によるリスクを最小限に抑え、スモールスタートで効率的にDXを推進できる点が強みです。


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Salesforceの主なサービス

Salesforceには、「Sales Cloud」「Service Cloud」「Marketing Cloud」「Marketing Cloud Account Engagement」など、多彩なサービスがあります。ここからそれぞれの概要を紹介します。

1.Sales Cloud

Sales Cloud(セールスクラウド)は、営業活動を効率化するための機能を多数備えたSFA(営業支援)ツールです。顧客管理、案件管理、活動履歴、売上予測などを一元的に管理でき、チーム全体の業務進捗を可視化します。

必要な情報に素早くアクセスでき、日々のタスクが明確になることで営業活動を効率化できるだけではなく、データに基づいた戦略で商談の精度や意思決定のスピードを高めることも可能です。蓄積された情報や知見をチームや部門、パートナーと共有できるため、組織全体の連携強化と営業の質向上に大きく寄与するでしょう。

2.Service Cloud

Service Cloud(サービスクラウド)は、AIを活用し、顧客からの問い合わせに迅速かつ的確に対応するためのカスタマーサービス向けプラットフォームです。チャットやメール、電話など、さまざまなチャネルからの対応履歴を一元管理でき、顧客満足度を高めます。

ナレッジベースやAIチャットボットとの連携により、問い合わせ対応の自動化・効率化も実現できます。結果、コスト削減、顧客維持、問題解決速度の改善など、さまざまな指標を高め、顧客ロイヤルティ強化につながるでしょう。

3.Marketing Cloud

Marketing Cloud(マーケティングクラウド)は、メール・SNS・広告など複数チャネルを横断したマーケティング活動を支援するMA(マーケティングオートメーション)ツールです。顧客の行動データや属性データをもとに、パーソナライズされたメッセージを自動配信できます。これにより、顧客とのエンゲージメントを高め、コンバージョンの最大化を図ることが可能です。コンテンツ作成も容易で、費用や運用リソースを抑えてスモールスタートができます。顧客の増加にともない機能を追加することも可能です。

4.Marketing Cloud Account Engagement(旧 Pardot)

Marketing Cloud Account Engagement(マーケティング クラウド アカウント エンゲージメント)は、Webサイト訪問者の行動追跡やスコアリングを通じ、見込み顧客(リード)の発掘・育成を自動化するBtoB向けマーケティングオートメーションツールです。LP、Webサイト、入力フォームなどの高品質なコンテンツ作成支援やナーチャリングの自動化により、営業部門へ引き渡すリードの質を効率的に向上させることが可能です。部門間の連携をシームレスにし、データに基づいたPDCAサイクルを回すことで、マーケティング施策の精度と費用対効果を高め、有望な案件を確実に営業へとつなげます。

5.Salesforce Platform

Salesforce Platform(セールスフォース プラットフォーム)は、業務アプリケーションを短期間で開発できる環境を提供し、業務効率の向上と生産性の最大化を支援するプラットフォームです。ローコード開発に対応しており、ドラッグ&ドロップ操作で業務プロセスの自動化を実現できます。

既存のシステムとの連携が容易で、モバイル端末やIoT機器にも柔軟に対応可能です。さらに、AI「Einstein」を活用したデータ分析により、業務の効率化や意思決定の精度向上をサポートします。高いセキュリティ性と柔軟な拡張性を兼ね備え、ITコストの削減やDXの推進にも貢献する汎用性のプラットフォームです。

6.Experience Cloud

Experience Cloud(エクスペリエンス クラウド)は、顧客・パートナー・社員をつなぐオンラインコラボレーションプラットフォームです。Sales CloudやService Cloudと連携し、CRMデータを活用してコミュニティを構築できます。顧客はコミュニティでの対話が可能となり、フィードバックや購買がしやすくなります。パートナーは情報共有やリード管理で売上を拡大し、社員は必要な情報にアクセスし、グループディスカッションやアクティビティで生産性を向上させることが可能です。Experience Cloudを活用することによって場所やデバイスを問わず、カスタマイズされたブランド体験を提供できます。結果、ビジネス全体のエコシステム強化と顧客満足度向上につながるでしょう。

7.CRM Analytics(旧 Tableau CRM)

CRM Analytics(CRMアナリティクス)はAIを活用した分析プラットフォームです。Salesforce CRMのワークフローに直接組み込まれ、コンテキストに応じたインサイトと予測的な分析を提供します。Salesforceと連携しているため、大量のデータを高速で抽出・集計できる高い処理パフォーマンスをもち、視覚的なデータとAIで現状を分析し、次に取るべき最適なアクションを提案します。ビッグデータの活用によって、より正確かつ迅速な意思決定が可能となり、結果として企業の収益性や業務の生産性が高まるでしょう。

8.Agentforce

Agentforceは、企業の営業・マーケティング活動を効率化する自立型のAIエージェントです。Salesforce利用者向けの業務サポートを行う「Agentforce」には、カスタマーサポートを支援する「Service Agent」や営業担当者へのコーチングを行う「Sales Coach Agent」、といった種類があります。企業データに基づいた信頼性の高い応答やノーコードでのカスタマイズ、高度なセキュリティ対策ができるため、顧客満足度向上と業務の効率化につなげることが可能です。


Salesforce導入のメリット

Salesforceのデータを使い、会議で説明する営業担当者のイメージ

Salesforceには営業活動だけではなく経営サイドにもさまざまなメリットがあります。ここでは、Salesforce導入における6つのメリットについて見ていきましょう。

営業活動の向上

Salesforceを活用することで、営業活動の質を大きく向上させることが可能です。まず、これまで個々の営業担当者が個別に管理していた進捗状況や顧客情報を可視化できるため、経営層やマネージャーがリアルタイムで状況を把握できるようになります。これにより、的確なフィードバックや遅延への迅速な対応ができます。

さらに、営業担当者のノウハウを組織内で共有することで、営業活動の質を均一化し、全体のスキルレベルを底上げすることができます。成績優秀者の手法を参考にすることで、チーム全体の成果向上につながり、安定的な収益確保が期待できるでしょう。また、Salesforceによって業務の効率化も推進できます。アプローチの失敗や見込み客の選定ミスといった課題をデータとして蓄積・分析し、トップパフォーマーの知見と組み合わせることで、より精度の高い営業活動がしやすくなります。

部門間の連携力の強化

Salesforceを導入することで、顧客に関するあらゆる情報を一元管理できるようになります。これまで営業、マーケティング、カスタマーサービスなど各部門で分散していた顧客データを統合することで、顧客情報の可視化が進み、360度の視点から顧客を深く理解できるようになります。

結果、顧客のニーズや行動履歴に基づいた、よりパーソナライズされた対応が可能となり、顧客満足度やロイヤルティの向上につなげることができるでしょう。さらに、情報共有の効率化によって部門間の連携が円滑になり、組織全体の生産性向上にも寄与します。また、Salesforceをデータ分析基盤として活用することで、顧客インサイトに基づいた戦略的な意思決定が可能です。

正確な売上予測

Salesforceは、営業部門における正確な売上予測を可能にし、経営判断の精度を高めるツールです。従来、見込み受注額や進捗状況の報告は担当者の主観に依存しやすく、正確な予測を行うのが困難でした。しかしSalesforceを活用することで、案件情報や進捗状況がすべてデータとして蓄積され、属人性の解消にもつながります。結果、マネージャーは客観的なデータに基づいた、信頼性の高い売上予測を立てられるようになり、組織の将来を左右する重要な経営判断も、より的確に行えるようになります。

高度なセキュリティシステム機能

Salesforceは、高度なセキュリティ機能を備えており、情報漏洩リスクを最小限に抑えることができます。例えば、ユーザープロファイルごとに許可されるIPアドレスを詳細に設定できるため、指定された場所以外からのアクセスを厳格に制限することが可能です。これにより、マーケティング部門など、機密性の高い顧客情報を多く取り扱う業務においても、安心してシステムを利用できます。世界トップレベルのセキュリティ対策が施されており、企業の重要なデータを堅牢に保護できる点が、Salesforceが多くの企業に選ばれている大きな理由の一つです。

導入後の手厚いサポート

Salesforceは、導入後も充実したサポート体制を提供し、顧客がスムーズにシステムを活用できるよう支援しています。オンライン学習プラットフォーム「Trailhead」では、製品知識や活用方法を体系的に学べ、スキルアップを継続できます。また、世界中のユーザーが集まるコミュニティやカスタマーサクセスチームによる専門的なサポートも充実しており、疑問点や課題を迅速に解決することが可能です。新機能のアップデートも定期的に行われるため、常に最新の環境で最適なパフォーマンスを引き出すことができます。

拡張性とカスタマイズ性による成長への対応

必要な機能だけを選択して導入できるため、初期投資を抑えつつ、ビジネスの拡大に合わせて機能を追加していくことができます。また、API連携やAppExchangeを通じて、様々な外部システムやアプリケーションとの連携が可能であり、既存のITインフラを有効活用できます。ノーコード・ローコード開発ツールも充実しており、高度なプログラミングの知識がなくても、自社の業務プロセスに合わせたカスタマイズが可能です。変化の激しいビジネス環境に迅速に対応し、持続的な成長を促進できるのがメリットといえるでしょう。


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Salesforce導入時の注意点

これまで見てきたように、Salesforceは営業活動を強力に支援する多機能なツールです。しかし、これらの高度な機能を十分に活用しきれていない企業も少なくありません。ここでは、Salesforceを導入する際に押さえておくべき2つの注意点を確認しましょう。

スキルが必要になる

Salesforceはローコード開発に対応しており、基本的な業務プロセスの自動化は、高度なプログラミング知識がなくても実現可能です。しかし、豊富な機能を最大限に活用し、組織全体に最適化された運用を行うには、Salesforceに関する専門的な知識や経験が不可欠です。特に複雑な要件への対応、他システムとの連携、データの設計・管理などは、専門スキルを持つ人材が担うのが望ましいでしょう。効果的に運用するためには、導入前から社内で模擬トレーニングを実施し、活用体制を整えておくことが重要になります。また、業務に合わせた柔軟なカスタマイズにはSalesforce専用のプログラミング言語であるApexなどの知識が必要です。ブラックボックス化を防ぐためのナレッジ共有も不可欠です。

結果がすぐに出るわけではない

Salesforceを含むCRMツールは、その効果を最大限に発揮するために、顧客データの蓄積が不可欠です。営業担当者がSalesforceに入力し忘れたり、マネージャーが管理できなかったりすると、顧客データは蓄積されないでしょう。そのため、導入後すぐに目に見える成果が出るとは限らず、一定のタイムラグが生じます。データ量が少ない状態で施策を実行しても、十分な効果が得られない可能性があります。

導入企業は、焦らずに継続的なデータ蓄積と分析への取り組みが求められます。ツールを導入するだけでなく、十分なデータが揃うまで根気強く運用を続け、マネージャーがチェックすることが、最終的な成果獲得には不可欠です。


Salesforceを導入するのにおすすめの企業

Salesforceの導入は、すべての企業に適しているわけではなく、以下のような特定の企業により適しています。

  • 社内の厳格なワークフローやルールを遵守しつつ、ツールを効果的に活用できる体制が整っている企業
  • SFAツールやCRMツールを導入した実績があり、専任の運用担当者が複数名配置されている企業
  • 顧客情報や営業活動の履歴など、社内に点在するデータを統合し、一元管理したいというニーズを持つ企業

さらに、社外のパートナー企業や顧客との関係構築に積極的で、コミュニティへの参加や協業を通じて相互成長を目指す姿勢を持つ企業にも適しています。また、世界中で利用されており、多言語対応やグローバルなカスタマーサポート体制が整っているため、グローバル展開を視野に入れている企業も向いているでしょう。


Salesforce導入・運用のパートナーの選び方

Salesforce導入・運用のパートナーの選び方

Salesforceは多機能であるがゆえに、自社にとってオーバースペックな機能を選択してしまい、コストが無駄になったり、導入後にうまく運用されず活用されなかったりするケースも少なくありません。これを避けるには、まず自社の課題を正確に把握し、必要な機能や導入プロセスを社内で明確にすることが重要です。もし自社での判断が難しい場合は、Salesforceに精通した認定パートナー企業に早めに相談し、専門的な提案を受けるのが成功への近道といえます。ここからSalesforce導入・運用のパートナーを選ぶ場合の基準について解説します。

Salesforceから認定されているか

Salesforce導入を検討する際は、認定パートナー企業を選ぶことが重要です。株式会社セールスフォース・ジャパンが公式に認定したパートナーは、Salesforceに関する豊富な知識と専門技術を持つ担当者が多数在籍しています。これらの認定資格者は、ビジネス課題に対し、的確なアドバイスと最適なソリューションを提案してくれます。認定パートナーを選ぶと、Salesforceの機能を最大限に活用し、導入から運用までをスムーズに進めることができ、失敗のリスクを大幅に低減できるでしょう。

自社の理解をしているか

営業・顧客管理システムは、企業の根幹をなす重要なツールです。導入を検討する際は、既存システムとの連携も考慮し、自社のビジネスモデルや抱える課題を深く理解してくれるパートナーを選ぶ必要があります。過去に類似の課題解決実績があるかを確認し、的確なアドバイスや提案ができるかを見極めましょう。営業・顧客管理システムは長期的な運用が前提となるため、信頼できるパートナーと長く協力関係を築けるかどうかが、導入成功の鍵です。

アフターサービスも万全か

Salesforce導入を成功させるには、導入後の手厚いサポートが不可欠です。システムの使い方指導はもちろん、蓄積されたデータの活用方法、ソリューションの提案力や実行力、社内での定着率を高めるノウハウを持つパートナーを選びましょう。導入フェーズにとどまらず、運用保守から利用の定着化支援まで、一貫してサポートしてくれる企業が理想的です。こうしたパートナーのEnd to Endの支援によって、導入効果を最大限に引き出し、企業の持続的な成長を促進できるでしょう。


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まとめ

Salesforceは、「Sales Cloud」「Service Cloud」「Marketing Cloud」などの幅広い製品をもつプラットフォームです。Salesforceを活用することで、顧客関係を一元的に管理できます。初期投資を抑えつつ高いセキュリティと柔軟な拡張性を備え、営業活動の向上、正確な売上予測、部門間連携強化といった様々なメリットがあるのが特徴です。Salesforceの導入を成功させるには、自社の課題を明確にし、専門知識を持つ認定パートナーと連携し、導入後の継続的な運用とデータ活用に取り組むことが重要です。



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