デジタル変革(DX、デジタルトランスフォーメーション)は、もはや「する、しない」の問題ではありません。むしろ、デジタル変革で新たにビジネスを考案する方法について、「How(どのように)」するのかを話さなければならない時代となりました。
2019年4月25日から27日にかけ、FPT主催により、ベトナムのハロン湾で3日間にわたり開催された「グローバル DX サミット 2019」では、このような議論の場が用意されました。この専門的なイベントにおいて、FPTコーポレーションのデジタル変革事業最高顧問であるフォン・チャム(Phuong Tram)は簡単に総括し、Cではじまる「コミュニティ」「カンバセーション(会話)」「コンテンツ」という3つの「C」について紹介しました。
FPTコーポレーション デジタル変革事業最高顧問 フォン・チャム(Phuong Tram)
■ Community(コミュニティ)
50名以上のデジタル変革の熱狂的支持者、思想家、そしてクリエイターが初めてベトナムに集結し、数杯のワインを傾けながら、問題点を話し合い、知識を交換し、デジタルソリューションについてブレーンストーミングや活発なグループワークセッションを実施しました。フォン・チャムはこの会議で次のように話しました。
「デジタル化コンテンツは更に充実したものとなり、知識が増すにつれ、永久に変化し続けます。ITの世界で、すべてを知っているとは誰にも言えず、また、どの企業でもできません。これが、コミュニティが最初に始まる理由です。」
グローバルDXサミット2019では、人間中心のアプローチでデュポンをデジタル変革へ指揮したフォン・チャムなどの専門家、北陸先端科学技術大学院大学の元教授 ホー・ツー・バオ(Ho Tu Bao)氏などの学術界、そして、パランティアテクノロジー、シーメンスPPAL(Siemens Postal, Parcel & Airport Logistics)、Grab、シンガポール航空、シュナイダー、日立、東芝などのような10億ドル規模の企業においてDX戦略を担当する上級エグゼクティブ達で作り上げるコミュニティの構築を目的としていました。フォン・チャムは、さらにデジタル変革から直接恩恵を受けるコミュニティ、つまりお客様と社会全体についても言及し、「それが、私たちが貢献しようとしているコミュニティです。」 と付け加えました。
グローバルDXサミット 2019の参加者は、「カスタマーエクスペリエンス」「優れた運用性」および
「新しいビジネスモデル」などをテーマとした、グループディスカッションに参加されました
■ Conversation(カンバセーション:会話)
ハロン湾での3日間、多くの会話が、関心度が高いテーマ、デジタル変革のベストプラクティスによって展開されました。フォン・チャムはヒトが中心に置かれたデュポンでの経験をサミット参加者と共有し、次のように述べました。「人々をやる気にさせ、彼らの心を念頭に置いて始める必要があります。そうでない場合、ミッションもなく、戦略もなく、そしてテクノロジーもないために、世界を変えることができません。」
パランティアテクノロジー アジアパシフィック地域の責任者Barret Brown氏は、デジタル変革に関して企業は「小規模から始める」ことを推奨し、一方、Grab社の分析責任者Nikhil Dwarakanath氏はDX実務者の観点より、データドリブン型の洞察を通して顧客体験を常に最適化することを薦めました。
さらに、具体的なテーマの議論に続き、参加者はグループで顧客体験を向上させる方法、優れた運用性を提供する方法、デジタル変革により新しいビジネスモデルを作成する方法について話し合いました。フォン・チャムはさらに、「会話はこの部屋で始まりますが、ここで終わりではありません。ぜひこのサミットが終わってもお互いに会話を続けましょう。」と述べました。
■ Content(コンテンツ)
このサミットにおいて、コミュニティを開始し、参加者を豊かで有意義な会話に導いた後、フォン・チャムはその究極の目的は「共にデジタル化に関する概念を変えること」であると述べました。デジタル変革は3つの文字、つまりI(インフォメーション)、T(テクノロジー)、P(ピープル)に要約される可能性があります。
ほとんどの人々が、情報をデータ・分析・意思決定プロセスの入力として捉えていますが、フォン・チャムは、「未来のビジネスの予測」および「それが起きる前に適切な対応を実行する」という意識で見ています。一方でテクノロジーにおいては、根本的にビジネスの運営方法を変え、顧客に価値を提供する最新のデジタルソリューションへの取り組みを表し、これには人工知能・ロボット工学・その顧客などが含まれます。 しかし、フォン・チャムが定義したように、デジタル化は人から始めるべきであり、企業全員の変化に対する動機を引き出す環境が必要です。「変化をもたらしたいのであれば、同時に人々を引き込まなければなりません」
グローバル DX サミット 2019の模様を取りまとめたビデオはこちら