SAPに関するコンサルティングや開発・移行等の実績多数のFPTがSAP Integration Suiteについて解説します
目次
はじめに
現在、企業の規模が大小に関わらず、オンプレミスやクラウドにデータを保存し、管理することが行われています。情報システムがクラウドにあるかオンプレミスにあるかそれぞれに独自の利点があります。したがって、情報を最適化するために、さまざまなデータ ソースを統合することが重要であることを明確にしました。そのきっかけで 、クラウドおよびオンプレミスアプリケーションを他のSAPシステムおよびNon-SAPシステムのクラウドおよびオンプレミス アプリケーションと繋げてデータを交換・変換が行われるためSAP社により SAP Integration Suiteが提供されています。
SAP Integration Suiteとは
SAP Integration Suiteは組織のすべてのシステム、オンプレミス、ローカル、およびクラウド アプリケーション(マルチクラウド システムを含む) からのデータを統合するプロセスを行うためのiPaaS(Integration Platform as a Service)であり、ビジネスユーザーがたった1つのプラットフォーム上のすべてのビジネスデータをリアルタイムで操作できるようにしています。
図1:SAP Integration Suite概念図
SAP Integration Suiteのメリット
- SAP Integration Suiteが複数のシステムと接続可能であり、各システム間でデータを柔軟に変換・交換が可能
- 専門家によるプロセスとデータの専門知識の統合によって事前に構築されているパッケージ化された統合フローを使用して、時間と労力を減少できます。また業務用途に合わせる既存のフローを改修、また最適のフローも簡単に新規作成が可能
- エンタープライズ統合パターンのベストプラクティスに従って、あらゆるビジネス統合要件に対応するカスタム統合シナリオを構築できる柔軟性
- SAP Cloud Platform API Management を使用して、ビジネス ネットワークを構築し、企業間のコラボレーションを可能にし、利用可能な API を迅速かつ効率的に発見、探索、およびテストが可能
SAP Integration Suite構成
SAP Integration Suite面を開いて、よく使われている「Discover」/「Design」/「Monitor」の3つのパネルがあります。
1.Discover:
SAP社により、複数種類のIntegrationソリューションが提供されています。 業務用途のキーワードを入力して検索することで関連するソリューションを見つけることができます。
図2:SAP社より、種類豊富なIntegrationソリューションが提供されている。自由に利用・改修は可能
2. Design:
SAP社より提供されたIntegrationソリューションを編集、または完全に新たなIntegrationソリューションを新規作成します。
ソリューション定義は「Integration flow」を称して、UI画面で各種コンポーネントをDrag&Dropすることにより、Integration Flowが作成できます。
Integration Flowの処理の流れをモデル化したため、目視で分かりやすい、気になる処理にダブルクリックで詳細のプロパティが開きます。
図3: Overview of Integration Flow Editor
Integration Flowの中で、受信先のデータモデルと、送信先のデータモデルのマッピング・変換はそれぞれ定義可能です。
図4:受信先(Receiver)と送信先(Sender)とのデータマッピング
3.Monitor:
作成されたIntegrationソリューションの実行結果、稼働状況をモニタリング監視機能。
ここで実行ログ、実行情報を確認し、実行失敗した原因を追究することができます。
図5:稼働状況のモニタリング画面
終わりに
企業のITビジネス業務において、今までデータ統合するために複雑なプログラムを作成し、多時間、高コストが必要でしたがSAP Integration Suiteを利用することにより、各システムのデータ統合の費用及び時間の節約ができ、また業務の効率を高めることができます。
今回はSAP Integration Suiteの初級編として解説記事を作成しました。
より詳細な内容や、現システム上での課題などありましたら、当社のエキスパートチームに以下の「お問い合わせ」からご相談ください。