FPTコンサルティングジャパン株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役社長:グエン・フウ・ロン(Nguyen Huu Long)、以下 FPTジャパン)とSCSK株式会社(所在地:東京都江東区、代表取締役 執行役員 社長:當麻 隆昭、以下 SCSK)は、合弁会社「COBOL PARK」を2025年3月に設立することを検討・協議する基本方針に合意したことをお知らせします。
「COBOL PARK」は、主にメインフレームを利用している金融機関などに対して、ビジネス継続に向けた既存システムの維持、さらにはマイグレーションに向けた道筋を提示するなど、複数の出口戦略を提供します。多くのお客様にご参加・ご利用を頂くことで、個別化されたレガシーシステムの全体最適化を促進し、お客様が経営資源をより戦略領域に振り向けることを可能にするなど、企業のDX推進と競争力強化に貢献します。
なお、社名の一部には、日本企業が今後も活用していくことが見込まれるレガシーシステムの一翼を担うという強い想いから、60年以上にわたりプログラミング言語で主流でありレガシーシステムを象徴する「COBOL」を採用しました。
1.本取り組みの背景
経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」が間近に迫る中、老朽化したシステム(以下 レガシーシステム)の継続的運用は、企業のビジネス継続リスクをはらんでおり、喫緊の社会課題となっています。なかでも、メインフレームは、高い処理能力と信頼性を要するシステム基盤であり、安定性・堅牢性が求められる金融機関で長年にわたり運用されています。しかしながら、メインフレームのシステム開発で利用されてきたCOBOLを中心としたレガシーテクノロジーのエンジニアの育成が、熟練技術者の高齢化、若手の新規学習者の減少などにより難しくなってきており、レガシーシステムを刷新の際に現行仕様を把握するエンジニアの確保も困難になっています。
FPTグループとSCSKは、2018年にアジア太平洋地域におけるITサービス事業での包括的協働パートナーシップに関する覚書を締結し、両社で協働推進しており、FPTジャパンとSCSK双方の強みを生かし、メインフレームを有する企業の事業継続を実現することが社会に貢献するミッションであるという価値観を共有し、このたび「COBOL PARK」設立の基本方針合意に至りました。
FPTジャパンは、ベトナムを中心として、世界30カ国に展開するFPTソフトウェアの若く勤勉な高度IT人材の豊富さと、グローバルにソリューションを展開できる強みを有しています。SCSKは、本取り組みをこれまで50年以上にわたり日本の幅広い業界に対して、システムを提供してきたシステムインテグレーターの責任と捉えています。独自の教育機関を持ちレガシーテクノロジーや日本語育成プログラムなど、若手人材が必要なスキルを習得できる教育システムを有するFPTグループと、これまでレガシーシステムで積み重ねてきた技術や知見、高いプロジェクトマネジメントスキルや業務ノウハウを有するSCSKが協業することで、お客様のレガシーシステムの継続的な利用を実現します。
2.「COBOL PARK」について
FPTソフトウェアの若手人材とSCSKの高い技術と業務への知見を有するシニア人材をCOBOL PARKに結集させ、レガシーシステムの開発・運用を担う人材を確保し、レガシーナレッジを持続的に継承していきます。既存システムの維持に必要な技術者を確保するとともに、レガシーシステムのさらなるブラックボックス化を防ぐことで、お客様にレガシーシステムからの革新的な出口戦略を提供します。 また、人生100年時代における労働力不足への対策とシニア人材の価値向上を追求します。COBOL PARKは、シニア人材のニーズに対応した人事制度の導入を通じて、継続的かつ柔軟な働き方を可能にする場を提供することで、新たなライフスタイルを創造します。加えて、日本社会から広く共感を得る受け皿としての役割を果たすことを目指します。
3.サービス提供開始に向けて
今回の基本方針合意を契機に、今後、両社は共同で以下の取り組みを実行していく計画です。
●2025年3月31日までに合弁会社設立を目指す。●COBOL PARK創業時の対象スコープは金融業界向けのサービス提供を行う。
●段階的に金融業界以外の産業への拡大を推進する。
●日本の金融業界約5,000億円/年※1のレガシーシステムマーケットの約20%(約1,000億円/年程度の事業規模※2)をCOBOL PARKが担うことを目標とする。
●「2025年の崖」やシニア人材の雇用問題に対する解決策を提示し、社会課題の解決に貢献することを目指す。
※1,2 現時点での概算試算結果、今後も継続精査を行う。
SCSK株式会社について
SCSK株式会社は、コンサルティングから、システム開発、検証サービス、ITインフラ構築、ITマネジメント、ITハード・ソフト販売、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)まで、ビジネスに必要なすべてのITサービスをフルラインアップで提供しています。また、ITを軸としたお客様や社会との共創による、さまざまな業種・業界や社会の課題解決にむけた新たな挑戦に取り組んでいます。
FPTコンサルティングジャパン株式会社について
FPTコンサルティングジャパンは、FPTジャパンホールディングスの事業会社として、2019年に設立されました。多様なテクノロジーケイパビリティと製造工程のデジタル化などの豊富な実績を有し、事業戦略策定やプロセス再構築からテクノロジーやデータの活用に向けたビジネスサイドのコンサルティング領域に強みを活かし、多くのお客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に貢献しています。
https://fptsoftware.jp/about-us/fpt-consulting-japan
FPTソフトウェアについて
FPTコーポレーションの子会社であるFPTソフトウェアは、ベトナムに本社を置き、2023年の売上高10億100万USドル以上、30カ国で3万人以上の社員を擁する世界的なテクノロジー/ITサービスプロバイダーです。デジタルトランスフォーメーションのパイオニアとして、ワールドクラスのサービスを提供しています。世界中の顧客は1100社以上にのぼり、そのうち96社はフォーチュン・グローバル 500企業に含まれます。これら企業は航空宇宙・航空、自動車、銀行・金融、物流・運輸、電力その他公益事業などの業界に及んでいます。
関連リンク
- FPTジャパン、SUBARUとビジネスの協創体制構築を見据えた業務/システム改善に関するMoUを締結
https://fptsoftware.jp/newsroom/news-and-press-release/press-release/20240827 - FPTソフトウェアとキッツ、システム運用業務のアウトソースとDX実行基盤の強化のため戦略的パートナーシップを締結
https://fptsoftware.jp/newsroom/news-and-press-release/press-release/20240801 - FPTジャパンがダイワボウ情報システムと提携し、フラッグシップ自動化ソリューションのakaBotを共同で販売
https://fptsoftware.jp/newsroom/news-and-press-release/press-release/20240819