アジアのある大手商社は、現在のビジネスプロセスを中断することなく、人的労力を最小限に抑える必要がありました。そのため、RPAソリューションを導入し、80%のプロセスを自動化しました。
RPAソリューションを活用することにより、マニュアル作業の自動化と集中的なトレーニングを回避することに加え、ビジネスプロセスを変更することによって、発生するリスクを削減することができたのです。この商社では7か月でエラー率を12%、マニュアル作業を5%にまで削減した一方、顧客満足度は60%も増加し、投資収益率を大幅に向上させることができました。この結果をみても、RPAがビジネスのデジタル変革(DX)のキーポイントとなることは間違いないのではないでしょうか?
RPA(ロボティックプロセスオートメーション)とは?
RPAとは、仮想ロボットを使用することにより、人間の介入を減らし、生産性を向上させ、コスト削減の実現を目的とした、業務を自動化するプロセスです。実際には、デジタルシステム(またはプラットフォーム)内で、人間の動作を模倣して、業務を実行するコンピューターソフトウェアのことを指します。
ソフトウェア、つまり「ロボット」を構成することで、企業が複数のアプリケーションを運用して、トランザクション処理、データ操作、他のデジタルシステムとの応答トリガーを実行することができます。RPAの適用範囲は広く、電子メールの自動送信から、ERPシステムでのジョブの自動化まで多岐にわたります。
RPAのメリットは?
現在、銀行・保険会社・公益事業・通信会社といった業種が、主にRPAを導入しています。調査会社ガートナーのバイスプレジデントであるキャシー・トーンボームは、「通常、これらの企業の組織は、会計システムと人事システムのさまざまな要素をまとめるのに苦労しており、RPAソリューションを使用して、既存のマニュアル作業やプロセス、さらに、レガシーシステムの機能を自動化しようとしています。」と述べています。RPAは、社内タスクのプロセス・ITサポート・カスタマーサービスの自動化など、幅広い分野における、あらゆる種類のルールに基づいて処理される業務に適用することが可能です。では次にその利点について、見てみましょう。
RPAソフトウェアは、休憩も睡眠も必要としないのに、ミスをしないだけではなく、従業員を抱えるよりも、はるかに少ないコストですみます。これは、RPAの最大の利点であり、人件費削減を可能にします。大手監査法人 デロイト社は、RPAを導入し、85個のボットを展開して13のプロセスを実行する請求処理の手順を再構築することで、年間150万件の問い合わせを処理しました。これは200人以上のフルタイム従業員の仕事量に相当します。
人間は退屈になると注意が散漫になる傾向があり、単純な作業になると、ミスをおかす可能性が非常に高くなります。RPAはこのようなエラーの発生リスクも軽減することができます。 人の代わりに、RPAを使用して、時間と労力にふさわしいタスクを割り当てることができるのです。RPAは人間と異なり、気が散るということがないのです。
また、RPAは企業のビジネスを向上させることも可能です。RPAはルールに従って、24時間365日稼働するようにプログラムされており、最小限のコストでタイムリーに大量の作業を遂行します。処理コストを最大80%削減し、企業は短期間で投資収益率を高めることができるのです。
さらに、RPAは他の自動化ソリューションとは異なり、新しいITインフラへの投資を必要としないため、莫大なコストと工数を節約することができます。代わりに、RPAは人が実際に作業を行うように稼働することで、既存システムを活用することができます。RPAには、独自のグラフィカルユーザインタフェースが用意されており、使いやすく、技術的専門知識をほとんど必要としません。
RPAによる作業および作業手順の自動化は、コーディングやスクリプトの開発を必要としません。つまり、複雑な作業手順でさえ、わずかな労力で自動化することができるのです。自動化への転換が迅速に実施されればされるほど、組織は速やかにその恩恵をうけることができます。すなわち、RPAはすぐに成果をだすことができるのです。
RPAの機能
RPAは、実際のロボットを配置して人に取って代わるのではなく、コンピューターソフトウェアを使って実施されるものです。RPAは既にあるアプリケーションと連携し、構造化されたプロセスを自動的に実行します。Citrix、.NET、HTML、Javaは、RPAで一般的に使用されている技術で、RPAでもサポートされます。互換性のあるシステムには、メインフレームターミナル、SAP、Oracle、Blacklineなどがあります。既存のシステムに変更を発生しません。RPAは、人と同じように業務を遂行するのです。
【Written by グエン・フォン・タオ 2019年7月5日】
RPA に興味がわいてきましたか?詳細については、以下のページもご覧になってください。
- FPTが提供するRPAサービスとソリューション:https://www.fpt-software.jp/services-offerings/rpa/
- 「デジタル変革(DX)を支援するFPTの最新RPAツール「akaBot(アカボット)」(コラム): https://fptsoftware.jp/fpt-rpa-solution-akabot/