ビジネスの決定を行う前に、費用の収益性を予測するために最も一般的に使用される指標はROI(投資対効果)です。ROIは規模や業界を問わず、すべての企業に有用で価値があるものとされています。ROIの計算により、企業は財務実績を十分に理解し、ビジネス戦略を練ることで将来の目標を達成することが可能です。

ROIの向上は事業投資の効率向上に繋がります。企業努力が良い結果を生み出しているかどうかが分からない場合、収益性を向上させるためにどのように事業を最も効果的で効率的に行うことができるでしょうか?ここでは、ROIをより良くするための効果的な3つの方法をご紹介します。

 

 

1.RPAの導入

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、世界的な調査会社であるガートナーによると「ユーザー・インタフェース (UI) 上の操作を認識する技術とワークフロー実行を組み合わせることで、人間がPCなどのデスクトップ上で各種アプリケーション を操作する『手作業』を模倣し、各種アプリケーションを介してシステム間で構造化データを自動的に移動したり、入力したりできるよう設計された『ソフトウェア』の総称」です。

RPAがインダストリ4.0で流行している技術であることは皆さまご存知のとおりです。銀行、小売、保険などの各企業では、RPAを活用して、ビジネスを変革しています。企業はロボットを迅速かつ効率的に配置することで、その投資収益を高めることができるため、RPAの採用は現在ピークに達しています。RPAを使用してプロセスを再構築することで、企業は大きな利益を生み出しています。

PwCのレポートによると、RPAを使用し人手作業の45%を自動化することで、全世界で2兆ドルの人件費が節約できるそうです。また、RPAの採用でこの業務が完了するには現状の作業時間の25%しかかからず、アプリケーション統合ソリューションの展開には現時点の16%しかかかりません。これらのすべての驚くべき事実により、企業のRPA投資がさらに進められています。

RPAの大きなメリットの1つは、ルーティンワークの削減であり、これは高度なスキルを必要とする仕事のためにあてる時間を増やすことになり、ルーティンワークのような退屈な仕事から従業員を解放します。RPAを最大限に活用するための最も良い方法は、ROIを高めるために、最も改善が必要なプロセス/領域に的を絞ることです。先ずは、ソフトウェアで自動化できる繰り返しタスクを特定することからです。たとえば、あるシステムから別のシステムへのデータのコピーや移動です。また、24時間365日を行う作業の場合、交代勤務による多くのスタッフを必要とするため、RPA採用は良いアイデアになります。その後で、全体的プロセスの見直しを行い、運用を合理化することに焦点を合わせるべきです。ほとんどの場合、高いROIを生む最速の方法は、管理者のいる状態でロボットを使用し、ルーティン作業を自動化し、そしてアプリ、データおよび従来システムを自動化における最後の統合の段階で、無人RPAに切り替えることです。

 

2.投資コストの削減

投資に費用、特に諸経費がかかります。間接費は生産、製造、その他の事業運営には関係しません。それらは、税金、保守費、水道光熱費、電話費、会計費、法律サービス費などの企業運営のための費用です。言い換えると、これらの費用は利益を生みません。

したがって、このような費用の削減は、重要な事業活動のために節約することが、ROIを高めることになります。想像してみてください、絶対に逃したくない突然の有益な投資機会があるとします。そこに運用資金があることは、そのような状況で大いに役に立ちます。

それでは、そのようなコストをどのように削減できるでしょうか?経費削減の機会をより見つけるために、経費を間接費と製造原価に分ける必要があります。削減できるいくつかの標準的な間接費には、リース代、水道光や管理費が含まれます。新しいリース契約ではより低料金での交渉、社屋を低リース料の新しいビルに移転、また在宅ビジネスへの転換などがリースコストを削減する方法です。水道光熱費はどうでしょうか?水道光熱費を減らす方法がいくつかあります。携帯電話、長距離出張、インターネットなどの費用は、必要とされるサービスレベルを決定するために、毎年見直されているはずです。

 

3.顧客体験の向上

優れたユーザーエクスペリエンス(UX)は、顧客の満足度を高めます。顧客の満足度が上がると、信頼度や愛着度も高まります。購入した製品の品質に満足すれば、顧客は必ず他の製品やサービスに戻ってくることでしょう。顧客満足度を高めることは不可欠であり、それが企業の存続と成長するために非常に重要な要素であるのはこのためです。Amazonのジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏は、UXを継続的に測定するという思想に基づいて、セールスの全過程を通して顧客体験に焦点を当てることによりAmazonを築きました。同じように、Google、Airbnb、Intuitは、UXを作業プロセスのコアに統合しました。

優れたUXによって生み出されるROIは、必ず高い成果を出します。企業が製品またはウェブサイトのUXに適切に投資することができれば、全体的な収益の増加、開発オーバーヘッドの削減、企業間の満足度の向上という3つの領域でROIを高めることができます。

それでは、特定のUX技術や作業プロセスへの投資を通じて、どのように顧客満足度を高め、企業のROIを高めることができるでしょうか?

ユーザビリティ、アクセシビリティ、パフォーマンス、デザイン/美的感覚、実用性、人的交流にフォーカスすることにより顧客満足度を高め、企業のROIを高めることが可能です。ユーザーのための効率的なデジタルプラットフォームを作るためには、ユーザーがコンポーネント間の相互作用を十分に理解し、それを楽しむ環境を作りだすことが必要です。そこから生まれる顧客の信頼度や愛着度が企業ブランドの価値をさらに高めます。優れたUXは経費を節約するだけでなく、確実に顧客満足度とブランド認知を向上させます。