ベトナムIT最大手であるFPTソフトウェアは、新しい子会社であるFPTセミコンダクターを設立しました。これは、活況を呈する半導体業界へ参入するための重要な節目となります。この新たな子会社を通じて、FPTソフトウェアは、世界の売上高の60%[1]を占めるアジア太平洋地域の半導体市場の一角を占めることを目指します。IDCは、2022年における世界の半導体売上高が、2021年比13.7%増の6610億ドルに達すると予測しています[2]


FPTセミコンダクターは、ベトナムで設計され、韓国で製造された最初の集積回路(IC)を2022年8月にリリースしました。これらのICは、IoT医療機器で使用される予定です。FPTセミコンダクターは2023年までに、通信、IoT、自動車技術、エネルギー、電子機器などの多様な需要に対応するため、7種類のチップを世界で2500万個供給する計画です。


FPTタワー – ベトナムのハノイにあるFPTコーポレーション本社

FPTタワー – ベトナムのハノイにあるFPTコーポレーション本社


FPTセミコンダクターの創業者兼最高経営責任者のグエン・ヴィン・クアンは、次のように述べています。「私たちは、ベトナムとアジアで急成長する半導体産業の発展に、より大規模に貢献できることを楽しみにしています。FPTセミコンダクターは、ベトナム、さらには日本、韓国、台湾、中国、米国、欧州の企業に選ばれる半導体チップサプライヤーになることを目指します。」


ベトナムで23年間、ITサービスとソリューション分野でリーダーシップを発揮してきたFPTソフトウェアは、ファブレス製造に乗り出すことを決定し、FPTセミコンダクターを設立しました。FPTソフトウェアはDXサービスとソリューションの包括的なエコシステムを拡大し続けています。グローバル市場における存在感と多様な事業ドメインにわたる長年の経験を基に、オーダーメイドのソリューションのコンサルティングや実装に加え、今回開始された半導体部品の製造事業によって、より多くのお客さまのご支援をしたいと考えています。


FPTソフトウェア最高執行責任者で、FPTセミコンダクター会長のチャン・ダン・ホアは、次のように述べています。「研究開発のプロセス全体が、ベトナム国内のFPTソフトウェアの主要エンジニアたちによって行われていることを誇りに思っています。FPTセミコンダクターの立ち上げは、ベトナムの知性の証しであると同時に、成長分野を追求し続け、ビジネスコミュニティーに技術的進歩をもたらすという我々のコミットメントの証しでもあります。」


半導体は、家電から航空宇宙まで多くの産業にとって不可欠なものであり、パンデミック以降、高い需要が続いています。人工知能(AI)、5G、自律走行型電気自動車、IoTソリューションといった革新的な技術の社会的活用が促進されるためには、半導体技術のさらなる進歩が不可欠となります[3]



[1] https://www2.deloitte.com/cn/en/pages/about-deloitte/articles/rise-of-the-asia-pacific-big-4-semiconductor-markets-on-global-stage.html


[2] https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prAP49266822


[3] https://www.semiconductors.org/-/media/project/fpt-software/fjp/wp-content/uploads/2021/05/BCG-x-SIA-Strengthening-the-Global-Semiconductor-Value-Chain-April-2021_1.pdf