銀行はデビットカードの不正取引検出処理の効率を向上させるために、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)をどのように役立てることができるのでしょうか?
欧州中央銀行は、欧州での不正取引の総額が年間18億ユーロにも達し、オーストラリアでは2018年のカード取引7,886億ドルのうち、5億7,430万ドルが不正取引であったと報告しています(Australian Payment Network, 2019)。しかし、金融機関がこれらの不正取引をどのように検出し処理を実施するのか疑問に思ったことはありませんか? かつて、この作業は複雑で非常に時間のかかる処理で、行員は繰り返しが多く退屈なこの作業に追われていました。しかし現在では、「RPA(ロボティックプロセスオートメーション)」の採用により、状況は大幅に改善されています。
RPA導入前は・・・?
各銀行の内部ルールとインフラストラクチャーに応じて、デビットカードの不正取引を処理するプロセスは大きく異なります。しかし、すべての銀行が従う必要のある工程がいくつかあります。それは、ウェブベースのコアバンキングシステムから、不正取引データに関するデータを収集し、請求に関連する情報を調査して、カード管理システムを介して、不正処理対応業務を実施するという点です。
テクノロジーの助けがなければ、データ収集からデータ処理、意思決定まで、全工程を手作業で行う必要があります。一部の銀行では、トランザクションをバッチ処理できますが、取引の個別処理が必要となる銀行も数多くあります。この従来の方法は、時間と手間がかかるだけでなく、行員を疲弊させ、その結果、ミスが発生しやすくなります。1日あたり数百件の不正請求の申し立てがあるため、金融機関が従来の人手を介する手法で速さと正確さの両方を保証することは、非常に困難な作業でした。
RPA導入後は・・・?
- データ収集
行員がまず初めに行うことは、不正取引に関する情報を収集することです。ロボットは、銀行のウェブベースのシステムにナビゲートしてログインし、日付を選択し、取引データをエクスポートする作業を支援します。またボットを使用して、不正取引の分析用として使用する包括的な顧客データを、複数の内部データベースやパブリックドメインから情報を取集します。
- データ処理
関連するデータを取得した後、RPAは重複データを削除し、データを精査し体裁を整えるなど、行員が使いやすいように手助けします。OCR(光学式文字認識)、テキスト分析、機械学習などの人工知能(AI)技術を組合わせることで、ロボットはアクティビティの追跡、支払いの照合、異常検出、不正取引のパターンを特定することができるようになります。RPAは、行員を単調な仕事から解放するだけでなく、過去の事例から自己学習することで、高い精度と生産性を保証しながら、処理に費やす時間を削減していくことが可能になります。
- 意思決定
RPAは銀行のバックオフィス業務に革命をもたらしています。デビットカードの不正取引検出処理も例外ではありません。この自動化ソリューションによって、コストを削減しながら、行員の仕事量を軽減し、不正取引検出処理にかかる業務の質を向上させ、ヒューマンエラーよって発生する問題を最小限に抑えることができるようになったのです。不正取引の検出と処理にかかる問題は、今後も続く可能性がありますが、RPAを利用すれば、多かれ少なかれこれらの課題の解決を効率化することができます。
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【Written by ファム・マイ・ガン 2020年4月13日】
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