ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)は、SAPを含む業務システムで使用し、繰り返しの業務の自動化・生産性改善に貢献することができます。SAPに関するコンサルティングや開発・移行等の実績多数かつ、自らRPA製品を開発しているFPTが、RPAのSAPへの活用案をご紹介します。

目次

はじめに

ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)とは、ソフトウェア・ロボットを用いて反復的かつルールベースの作業を自動化する技術です。RPAは、一般的な基幹業務システム(ERP)であるSAPに適用することで、効率性、正確性、コンプライアンスを向上させることができます。例えば、RPAはデータ入力、請求書処理、レポート作成、その他の一般的なSAPタスクの自動化などが挙げられます。また、RPAはSAPと電子メール、ウェブポータル、データベースなどの他のアプリケーションやシステムと統合することにも活用できます。SAPにRPAを適用することで、企業は時間とコストを削減し、エラーとリスクを低減し、顧客満足度と従業員エンゲージメントを高めることに貢献できます。RPA、SAP、そしてそれらの組み合わせについて、本記事では詳しくご紹介します。

RPAとは?

thoughtful.aiによると、RPAとはRobotic Process Automationの略称で、「人間の監視を必要としない反復的または平凡なタスクを管理するコードシーケンスを構築することを可能にするソフトウェア」と定義されています。このロボット・コードは、デジタル・システムを操作する際に人間と同じように機能するように構築されています。RPAは、在庫管理、受注管理、サプライチェーン、不正検知、顧客フィードバック、価格設定、請求書発行、テキスト認識、顧客サービスなど、さまざまなビジネス機能のタスクを自動化でき、また人間の意思決定をほとんど、あるいは全く必要としないタスクに最適です。

これらの自動化を開発するために、RPAソリューションはエージェントが従うワークフローを構築するための開発環境を提供されています。これらの開発環境は通常、コードレスでドラッグ・アンド・ドロップ可能なシステムであるため、開発者でなくても必要なプロセスを構築することができます。

図1 – RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)

akaBot® – FPTが提供するRPAソリューション

akaBot®は、単純作業の自動化、働き方改革、顧客満足度向上を推進するFPTのRPA(Robotic Process Automation)ソリューションです。”akaBot®は、各部門向けのミニソリューションから、各企業の定型業務の課題発見、RPAソフトウェアの実運用までフルサービスをリーズナブルな価格で提供します。

FPTのakaBot®は、G2 Grid® Report for Robotic Process Automation Spring 2023(図2)において、Leaderに認定されました。従来は手作業で行われていた反復的なプロセスを自動化することで、遠隔地での作業工数を削減し、事業継続性を維持することを可能にします。

図2- RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)
画像引用元:Grid® Report for Robotic Process Automation (RPA) | Spring 2023

RPA-as-a-Serviceとは?

RPA-as-a-Service(RPAaaS)は、Robots-as-a-Service(RaaS)としても知られ、RPAでは実現できなかった技術的・コスト的な柔軟性を提供するサービス形態です。RPAマネージド・サービスは、財務機能、会計報告、ヘルスケア情報など、ビジネス・ニーズに応じて多くのプロセスを自動化することができます。

多様な業界・業務で利用されるRPA

図3- 多様な業界・業務で利用されるRPA

RPAaaS には以下のようなメリットがあると言われています。

● コスト削減:

  • RPAソリューションがクラウド上で実装されるため、インフラコストが削減できる
  • ライセンス費用やホスティング費用が不要
  • プログラミングやシステムの保守に技術者を雇う必要がない
  • 従量課金オプション

● 導入における障壁が少ないため、短期間での導入が可能
● ソフトウェアとセキュリティのアップデートとメンテナンスの自動化

SAPにRPAソリューションを活用する方法

ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)は以下のような形でSAPに活用することが可能です。

● 高度なERPシステムにおけるデータ入力の自動化
● SAPのアップロードやダウンロード処理の実行
● 画面上のフォームへの入力
● 画面上のデータフィールドの比較
● レガシーシステムやサードパーティアプリケーションとのSAP ERP統合

特に、SAP上のAMS(Application Management Service)のプロジェクト・業務形態では、RPAはオペレータの反復作業を削減し、業務処理にかかる時間短縮(コスト削減)、業務手順の簡素化、信頼性向上(ヒューマンエラーなし)を支援する有用なツールの1つとなります。下記の(図4)のようなシンプルなAMSフローにおいては、RPAはオペレータ/サポーターにチケットを作成/割り当てる従業員の労力を削減し、事前に定義されたルールに基づいてインシデントを自動的に分類することが可能です。

図4- AMSという業態に適用されるRPA
(画像引用元:https://www.mdpi.com/2076-3417/13/6/3843)

さらに、SAP Communityでは「SAP Intelligent Robotic Process Automation(SAP Intelligent RPA)は、従来のRPA機能と緊密なプロセス統合機能を組み合わせて提供し、デジタルトランスフォーメーションを加速させ、ビジネスプロセスにおける反復作業を自動化します」と説明があります。SAP Intelligent RPAを利用する具体的なメリットとしては、ローコードやノーコードのプラットフォームなどのツールを利用できること、ビジネスプロセス管理のための統合やコンテンツが組み込まれていること、迅速でコスト効率の高い導入が可能であることなどが挙げられます。

SAP Intelligent RPAは、ベンダーレコードのメンテナンス、契約書の作成と検証、出荷スケジューリングの自動化、倉庫在庫レポートの作成、出荷モニタリング、サプライヤーの評価とパフォーマンスレビューなど、さまざまな目的に使用できます。また、ビジネス上の多様なソースから一貫性のあるデータを収集し、データを単一のデータベースで異なる部門間で共有し、より良い意思決定プロセスのために視覚的なプレゼンテーションやより深い洞察と分析を行うためにも使用できます。別の使用例としては、異なるシステムから顧客データを収集し、事前に承認されたEメールテンプレートに載せて、顧客や潜在的なリードに送信することが挙げられます。また、SAP Intelligent RPAを使用して、さまざまな銀行から銀行取引明細書をダウンロードし、情報を読み取ってスプレッドシートに変換し、例外としてフラグを立てることもできます。

※SAP Intelligent Robotic Process Automation – Integration and Use Cases(SAPインテリジェント・ロボティック・プロセス・オートメーション – 統合とユースケース)のページでは、ロボティック・プロセス・オートメーショ ンをSAPやサードパーティ・ソリューションと統合し、シームレスなエンドツーエンドのビジネスオートメーションを実現したプロジェクトの事例が紹介されています
https://community.sap.com/topics/intelligent-rpa/use-cases

 

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