SAPに関するコンサルティングや開発・移行等の実績多数のFPTがSAP AMS プロジェクトにオートメーション運用を適用した取り組みをご紹介します。

目次

 

はじめに

前回のSAP AMSの記事: AMSハイブリッドグローバルデリバリー体制を採用し、SAP S/4HANA Cloudのシステム安定化に貢献に引き続き、今回はSAP AMSにおける自動化適用についてご紹介します。

SAP AMS(Application Managed Service)プロジェクトにおけるオートメーションは、SAPシステムの運用や管理を自動化することを指します。これにより、効率化や生産性の向上、ヒューマンエラーの削減などの利点を享受することができます。

SAP AMS プロジェクトにオートメーション運用

続いて、SAP AMSプロジェクトで適用されている自動化テストツールとタスク管理ツールを紹介します。

オートメーションテストツール運用とその効率

オートメーションテストは導入プロジェクトにも応用できますが今回はAMSプロジェクトにおけるメリットについてお話したいと思います。オートメーションテスト運用では、事前に定義されたテストスクリプトを自動的に実行するため、テストの再現性と正確性が高まります。また、人的ミスを排除するため、テストの品質向上が期待できます。また、テストの自動実行や結果の自動検証が可能となります。これにより、テストの効率化が図られ、短いテストサイクルでのアプリケーションのテストが実現されます。

図 1 : The Testing Dilemma

https://blogs.sap.com/2021/06/25/sap-application-testing-solutions-by-tricentis-overview/

 

オートメーションテスト運用により、テストの自動実行や自動検証が行われるため、人的リソースを効率的に活用することができます。テストの作業量を削減し、テストエンジニアの負担を軽減することができます。
つまり、定期的にテストを自動実行し、結果を自動検証することにより、システムの品質を継続的に向上させることができます。

オートメーションテストツール紹介

1. SAP PUT 2.0との製品

SAP PUT 2.0は、SAPシステムの異なるモジュールや機能をカバーするテストスクリプトを作成し、それを実行することにより、SAPシステムの動作を検証することができます。また、PUT 2.0は、SAPのGUI(Graphical User Interface)操作やバッチ処理の自動化、SAPのデータベースへのアクセス、SAPのIDoc(Intermediate Document)の処理など、SAPシステムとの連携を容易にする機能を持っています。

SAP AMSとPUT 2.0 オートメーションテストを組み合わせることで、以下のような特徴を持つことがあります。
PUT 2.0は、SAPシステムに特化したテスト機能を提供しています。SAPのモジュールや機能に合わせたテストスクリプトやテストケースを作成し、SAPシステムの動作を自動的に検証することができます。

SAPシステムとの連携を容易にする機能を提供しています。SAPのGUI操作やバッチ処理の自動化、SAPのデータベースへのアクセス、SAPのIDocの処理など、SAPシステムとのシームレスな連携を可能にします。
SAPシステムのアップグレードやパッチ適用の際には、それに伴うテストが重要です。PUT 2.0は、SAPシステムのアップグレードやパッチ適用のテストを自動化し、変更の影響を検証することができます。

図2 : Post-Upgrade Test
(Source : Test Automation Tool For SAP S/4 HANA Cloud – Public Jan 2023)

 

SAPシステムのテスト結果を自動的に記録し、報告や分析を行う機能を提供しています。SAPシステムのテストの実行状況や結果を把握しやすくし、問題の追跡や改善を支援します。

システムの正確な再現とリグレッションテスト、SAPシステムの正確な再現を可能にし、リグレッションテストを実施することができます。これにより、SAPシステムの変更や修正による影響を検証し、システムの安定性や品質を確保することができます。

以上のように、SAP AMSとPUT 2.0 オートメーションテストを組み合わせることで、SAPシステムの効率的なテストを実施し、品質向上やリスクの軽減を支援することができます。

2.Tricentis社からのテストツール

SAP Application Testing Solutions by Tricentisは、Tricentisという企業が提供するSAP向けのアプリケーションテストソリューションの総称です。Tricentisは、世界的に有名なテスト自動化ツールであるTricentis Toscaを開発しており、その中にはSAPシステム向けのテスト自動化機能も含まれています。

SAPの異なるモジュールや機能をテストするための総合的なソリューションを提供しています。これには以下のような特徴が含まれています。

SAPシステム向けのテストスクリプトやテストケースを作成し、SAPのモジュールや機能を自動的にテストするための機能を提供しています。SAPのフロントエンドからバックエンドまでのエンドツーエンドのテストをサポートし、SAPシステムの全体的な品質を検証することができます。
Tricentisのテスト実行エンジンはクラウドベースで提供されており、複数のSAPシステムを効率的にテストすることができます。

図 3: The software design loop
https://blogs.sap.com/2021/06/25/sap-application-testing-solutions-by-tricentis-overview/

 

テストデータの生成やマスク化、データの管理をサポートし、テスト環境のセットアップを容易にします。次、テスト結果の分析や報告を行い、問題の特定や修正の優先順位付けをサポートします。他にはSAPのバージョンアップに対応し、テストスクリプトやテストケースの再利用を促進します。

SAP Application Testing Solutions by Tricentisは、SAPシステムの品質向上やリスクの軽減を目的として、効率的かつ網羅的なテストを実施するためのソリューションとして、多くの企業に利用されています。

SAP AMSプロジェクトのタスクを効果的に管理するツール紹介

FPT iTopは、FPTソフトウェアが提供するITサービスマネジメント(ITSM)ツールの一つであり、ITサービスの運用・管理を支援するためのソフトウェアです。iTop は、インシデント管理、問題管理、変更管理、サービス カタログ、構成管理データベース (CMDB)、レポートなどの機能を提供します。iTop は高度に構成可能であり、組織の特定のニーズを満たすようにカスタマイズできます。したがってAMSプロジェクトにおいては、iTopを利用してシステムの運用を効率化し、高品質なサービスを提供することができます。以下は、iTopソフトウェアの運用に関する特徴を紹介します。

iTopはITIL(IT Infrastructure Library)に準拠しており、ITサービスのライフサイクルをサポートします。インシデント管理、問題管理、変更管理、構成管理などの機能を提供し、ITサービスの効率的な運用を可能にします。

また、柔軟なカスタマイズが可能であり、顧客の要件に合わせたカスタマイズが可能です。顧客固有のワークフローやプロセスに合わせた設定ができ、特定のビジネスルールに従った運用が可能です。

図 4 : iTop Dashboard

 

このツールは、IT マネージャーや関係者が IT パフォーマンスとサービス レベルに基づいて情報に基づいた意思決定を行うのに役立つダッシュボードとレポートも提供します。

他には直感的なインターフェースを持ち、ユーザーが簡単に操作できるように設計されています。ユーザーはインシデントや変更の作成、検索、閲覧などを容易に行うことができます。次に、リアルタイムでシステムの監視やレポートを生成することができます。システムの状態や運用の進捗を可視化し、適切な対応を早期に行うことができます。

図 5 : Service Level Agreements

 

ワークフローやタスクの自動化をサポートし、作業の効率化や人的ミスの削減を実現します。例えば、インシデントのエスカレーションや自動的なSLA(Service Level Agreement)の管理が可能です。

全体として、iTop は、ITSM および ITAM プロセスを合理化し、全体的な IT サービスの提供を改善したいと考えている組織にとって強力なツールです。

FPT iTopを利用することで、AMSプロジェクトにおいてはITサービスの運用を効率化し、サービス品質の向上や顧客満足度の向上を実現することができます。

終わりに

以上、FPTが導入実績のある2つの自動化テストツールとサービス管理ツールの概要を紹介しました。 特に、Tricentis プロジェクトは成功裏に実施され、顧客の改善に役立ちました。 FPTは常に、お客様に最大の価値をもたらす最適なソリューションを提供するよう努めています。

より詳細な内容や、現システム上での課題などありましたら、当社のエキスパートチームに以下の「お問い合わせ」からご相談ください。