SAPに関するコンサルティングや開発・移行等の実績多数のFPTがクラウド向けABAP開発のアウトソーシングをご紹介します。

目次

はじめに

近年、デジタル変革プロセスは急速かつ強力に進行しています。特にクラウドコンピューティングの爆発的な普及に伴い、デジタル変革を支えるアプリは徐々に技術トレンドに追いつき、クラウドに移行する傾向にあります。SAPのテクノロジーも世界に遅れることなく、SAP S/4HANA Cloudをはじめとして、SAP Analytics cloud, BTP, SAP Datasphere, SAP HANA Cloudなどのソリューションで、トレンドに素早く追いつくためのアップデートにも取り組んできました。

SAP S/4HANA Cloudソリューションで、SAPは技術優位性と、世界中の何千もの企業向けのデジタル変革モデルから得た経験を活用することができました。SAPは、自社技術の強みを活用しつつ、自社製品の潜在的弱点も見極めました。それは、どうすれば外部のアプリや製品を自社製品に統合するか、あるいは単にどうすれば自社製品上でより多くの機能を開発するかということです。そこで、ABAP Cloudが開発されました。

では、ABAP Cloudとは何でしょうか?どのように使われるのでしょうか?このソリューションの概要を把握するために、ぜひ今回の記事をご覧ください!

ABAPクラウドの概要

ABAP Cloudとは、ABAPプログラミング言語を使って、クラウド上でビジネスソリューションを提供するアプリを開発するソリューションである。ABAP Cloudを利用して、開発者はデータ統合のアプリや分析レポート、または電子決済アプリが作成できます。

ABAP Cloudで、開発者はSAP S/4HANA Cloud(パブリッククラウド版とプライベートクラウド版の両方)上でビジネス向けの製品が開発できます。現在、アプリ開発者はオンプレミスのシステム上でもABAP Cloudを使用することができます。

ABAP Cloudで作成されたレポートの例

図1:ABAP Cloudで作成されたレポートの例

開発、品質保証、本番の各環境の安定性とパフォーマンスを最適化するために、ABAP Cloudは以下の重要な要素に基づく必要もあります。

  • リリース済みのAPI:カスタムコードの安定性が最重要です。開発者は、SAP社、若しくは他の開発者によりリリースされた API を利用することができます。これらのAPIを公開できるように、SAP社に設定されたすべての条件を満たさなければなりません。それ故に、開発者は将来、アップグレードする際に起こりうるリスクの心配をすることはなく、これらのAPIを利用して、企業の業務需要に応じて調整できます。
  • クラウド環境に最適化されたABAP言語:クラウドコンピューティングの発展に伴い、ABAP言語の最適化はSAPの緊急課題となっています。そしてSAPは躊躇することなく、ABAPをクラウドで使用できるように最適化しました。現在、ABAP言語のクラウドバージョンは、「ABAP for Cloud Development」と「ABAP for Key Users」の2つの主要バージョンがあります。
  • クラウド環境に最適化されたアーキテクチャ:RESTful Application Programming Architecture(RAP)を活用することにより、ABAP Cloudの実装プロセスがレイヤーに分けて、開発者はソースコードの各部分を様々な目的で再利用できるようになります。

Side-by-Side拡張とIn-App拡張

In-App拡張(キーユーザー拡張)とは、キーユーザーやビジネス専門家がソフトウェア開発チームを介さずに、SAP S/4HANA Cloud環境上で拡張機能を直接開発するのを可能にするツールです。これは、SAPレポート上で必要な機能を直接開発させる、プログラミング経験の少ない方向けの機能です。

Side-by-Side拡張の方は、開発チームにSAPシステム上で複雑なレポートを直接作成させます。SAP S/4HANA Cloudシステムの厳しい要件のため、開発チームはSAP S/4HANAオンプレミスシステム上でのレポートと同じ方法でレポートを開発することができませんでした。そのため、SAPはリリース済みのAPIを提供すると共に、開発者に独自の機能を開発させ、それをAPIとしてパッケージ化させてリリースさせ、SAPライブラリにアップロードさせました。

SAP S/4HANA Cloudでの全体的なアーキテクチャ

図2:SAP S/4HANA Cloudでの全体的なアーキテクチャ

ABAPクラウドプロジェクトに対するFPTのアプローチ

ほとんどのFPTデジタル変革プロジェクトは、新規導入とシステムコンバージョン、2つの主な形態があります。新規導入の場合、FPTは標準的なSAPソリューションを活用し、顧客企業のデジタル変革を実施します。しかし、システムコンバージョン方法で変革する必要がある顧客の場合、FPTは顧客のためにSAP S/4HANA Cloudシステムで該当レポートを作成します。それを実現するために、FPTはSAP社に設定された標準に従ってAPIを開発して(詳細はStability Contractを参照ください)、APIをリリース・公開するか、または既存のAPIを使用してクラウド上でレポートを作成する必要があります。

3階層モデル

通常、FPTは顧客のレガシーシステムでの変革する必要のあるプログラムの統計を取って、これらのレポートを様々な方法(コード読み、ビジネス分析など)で分析します。このプロセスの結果は、各機能、ビジネスロジック、テーブル、機能モジュールなどの詳細な分析ドキュメントセットとなります。そして、FPTは個々のソースコードをCDSビューに変換します。BDCまたはBAPIの呼び出しなどの場合、FPTは分析を行って、該当するリリース済みのAPIがあるかどうかを確認します。まだ存在しない場合、クラウド環境で使用できるように、FPTはそれらのAPIを開発し、リリースします。また、CDSビューや リリース済みのAPIを使用する可能性がないレポートの場合でも、FPTはそれに応じてビジネス要件を満たす該当APIを構築して、クラウド上で使用できるようにリリースします。

クラウドへのレポート分析・変換プロセス

図4:クラウドへのレポート分析・変換プロセス

終わりに

20年以上の経験および優秀な人材を持ち、日本や韓国、シンガポール、マレーシア、ドイツ、スロバキア、アメリカなど世界各地に拠点を有するFPTは、グロバル市場での地位を確実に一歩ずつ確立しています。FPTの最も包括的なソリューションを通じて、お客様のデジタル変革を支えています。

より詳細な内容や、現システム上での課題などありましたら、当社のエキスパートチームに以下の「お問い合わせ」からご相談ください。